狂気の王
- よみがな:はかいしんーー
- 声:若本規夫
あの容姿からてっきり女性だと思っていたので、
アニメの時はあのお声にまずびっくり。
小説版では両性具有(というか性別不詳)ですし、
奥田さんも「私自身の裏設定では両性具有」
(「Love Song」より)とコメントされているので、
もしリメイクの機会があれば、今度は女性に声をあててもらうのもおもしろいのでは?
若本さんの特徴のあるお声も、なかなかに捨て難いのですが。
「インドラ様とガイの人生を弄んだ張本人」と考えると、
そりゃあもう心の底から憎いです。
それなのに、なぜか呼び捨てにするのはためらわれるんだよなぁ。
これこそが、「王者の威厳」の為せる技、なのでしょうか。
ただ、ガイ変貌の理由については、
アニメ版では「1万年前、シヴァ様が夜叉王の魂に黒のソーマの種を植え付けた」
とされていますが、小説版ではまだそのへんが曖昧なんですよね。
アニメ版のようにシヴァ様が仕掛けたことなのか、
「ガイの優しさが仇となった(=シヴァ様は直接は何もしていない)」
(「人物考察:夜叉王ガイ」参照)、ただそれに尽きるのか、
続きが出ていない今、はっきりしたことはわかりません。
アニメ版の「破壊神シヴァ」は、
「天空界に突如現れた悪の帝王」といった描かれ方をしていました。
しかし、小説版を読むと、破壊神という存在自体は悪ではなく、
創造・調和・破壊の三神全てが世界の発展のために必要であることがわかります。
本来、「破壊神」が司っているのは、
新たなる「創造」や再生への第一歩として旧き世界を無に戻すことです。
「破壊」という言葉にはどうしても暴力的なイメージが付きまとうけれど、
そうした「破壊神」には、天寿を全うした魂を次なる転生へと導くような、
穏やかなイメージがあります。
ちょうど、「調和」を司るヴィシュヌ様のように。
そして、「創造」と「破壊」がお互いに切り離せない表裏一体の関係であることも
強く感じさせます。
シヴァ様が誕生するまでは、そしてあの事件(小説第6巻第2章参照)が起こるまでは、
辛うじてこの三神が正しく機能していたのに……。
こうなると、このお方の後継者の問題が切実なものになってきますよね。
「OVAではガイが復活」と聞いた時、
彼が正しき破壊神となる展開を期待したのですが、
その読みは大きく外れてしまって残念でした。
小説版ではそのあたりをどう処理するんでしょうね?
アニメ版と同様、シヴァ様を倒してとりあえずおしまい、
なんてことになったら、ちょっともったいないです。
ところで、素朴な疑問なのですが、
シヴァ様はご自身がしていることに対して、
「悪」あるいは「善」であるという自覚はあるのでしょうか?
例の事件の際、インドラ様に
「これが黒の光流(ソーマ)の真の姿なのだ。余はそれを解放してやったにすぎない」
と語っているのだし、「善」であると考えた上でアスラ神軍を率いているのかなぁ。
……いやいや、このお方はやっぱり、
ただひたすら自分自身の欲望を満たすために、
黒のソーマを歪めてしまっているのかな。
うーん、私は、ガイやアカラナータ、そしてその他大勢の神将や天空人が
黒のソーマを選んだことよりも、
そこに至るまでの内面の葛藤自体が、
このお方にとっては悦びであり愉しみであるのだろうと思っています。
それがシヴァ様なりの愛し方なのかとも思うし。
インドラ様に偽りの生を与えたのも、
自身の一部として利用するという目的もあったのだろうけれど、
そのことによって苦しむインドラ様を見ていたかったのかなぁ、とか。
うまく言えないのですが、そんなふうに考えています。
ああ、やっぱり私はまだまだシヴァ様のことをつかみきれていないんだなぁ。
それって、この物語の主題もわかっていない、ということなのかしら。むむむ。
NEXT

人物考察:創造神ブラフマー
伝説の神 須弥山に住まう伝説の神にして「創造」を司るお方。同じ三神のうち、「大戦」時に調和神となったヴィシュヌ様は、 それ以前は(ソーマ力はともかく)一介の天空人にすぎなかったことが伺えます。そしてあのシヴァ様でさえも、「ルドラ神族に生まれ、破壊神となることを運命付けられていた」という特殊な背景があるにしろ、その点は同じだと思われます。
\ You may also like /
0 件のコメント:
コメントを投稿