人物考察:冥帝ビカラ

 2003/07/28 

シュラト 人物考察

アスラ神軍随一の謀将

  • よみがな:めいていーー
  • 声:小杉十郎太
  • 所属:十二羅帝
  • 神甲冑:--
  • 武器:--
  • 触媒:--
  • 必殺技:幽冥影憑依etc.
アニメ版第二部冒頭でこのお方を初めて見た時は、
不気味だけど頭は良さそうだし、印を結ぶ仕草なんて底知れぬ強さを感じさせて、
かっこいい!と素直に思いました。
その後、他の十二羅帝が須弥山でいまいち活躍してくれなかったこともあり、
「最後に残ったこの人くらいは……」
とよけいにその勇姿を期待していたのですが、
異動宮と一体化した彼は、うーん……。
たとえ作画が美しかったとしても、ちょっとがっかりしてしまっていただろうなぁ。
アニメ版の彼に対して、あかほりさんは
「もっともっと策士となるはずだったんだけれど、話数の関係で取りやめ」
とコメントしています(「Love Song」より)。
小説版では、まだ第4&6巻序章の「大戦」のエピソードにおいて
ちらりと登場する程度ですが、第7巻以降でその実力が大いに発揮されるといいな。
特に、ミトラ様との策士対決を早く見たいです。
そしてまた、小説第4巻で獣牙三人衆の過去話が出てきたので、
十二羅帝についても、全員は無理だとしても
何か追加エピソードがあったらうれしいなぁ、と思っています。
このお方がアスラに身を置くようになった経緯にも興味がありますし。
今のところ、業霊師(ごうれいし)ダルマの台詞(註1)を借りて表現するならば、
「智恵あるもの」が「さらなる智恵」を求めた結果なのかも知れないなぁ、
と勝手に想像していますが。

「アスラ神軍随一の謀将」とされるだけあって、
ビカラはとても頭のいい人だと思うのです。
おそらくデーヴァにいた頃も、
軍師として全軍から頼りにされる日々を送っていたのではないでしょうか。
「大戦」は憂慮すべき非常事態ではあるけれど、
自らの才能を存分に活かす機会を得たのだから、
もしかしたら、難局に陥った時ほど内心では喜びを感じていたのかも知れません。
(これについては文官・武官問わず)
より上のレベルを目指す気持ちや、己の才能の限界を確かめたいという欲求は、
程度の差はあれ誰もが持っているものだと思います。
軍師としての経験を積めば積むほど、ビカラの心の奥底のそんな欲求は
強いものになっていったのではないかなぁ……。
また、「戦略」とひとことで言っても、
単純に敵に勝つための作戦を考えればいいのではなくて、
負傷した神将を看護することや、休息を与えることも必要です。
それに、数えきれないほどの戦闘の中には、
手負いの神将の救助と作戦の遂行のどちらかを選択しなければならないことが
少なからずあったと思います。
そんなとき、「正義」であるデーヴァ神軍としては、
味方を見捨てるようなことはできないでしょう。
でも、軍師としては、あと一歩で自分の編み出した完璧な作戦が
遂行されようとしているなら、犠牲を払ってでも完遂させたい……。
ビカラにそんな気持ちがあったとしても、無理はないと思います。
こんなふうに、デーヴァ神軍の神将として、天空人として、
最低限備えているはずの(あるいは備えていることを要求される)倫理観が、
いつしかビカラにとって邪魔なものになってしまったとも考えられます。
それに対し、アスラ神軍の戦い方はどうでしょうか?
魔神将たちはただ破壊のみを目的とし、思うままに力を振るっています。
アカラナータのように、そんな彼らをうらやましいと思ってしまったのかも知れません。
あるいは、
「もしも自分がそんな彼らを統率する立場となれば、
 面倒なことに一切煩わされることなく、己の作戦を遂行し、
 知力の限界に挑戦することができるのではないか?」、
そんなことを考えてしまったのかも知れません。
そして、そのことに気付いた時、
すでにその心は黒のソーマに捕われてしまっていたのではないかな。
きっと、見た目の変化はほとんどなかったんじゃないかと思うのですが。
……私のイメージする「冥帝ビカラ」は、こんな感じのお方です。

ビカラはきっと、ただ純粋に、
自由にコマを動かせるフィールドがほしかっただけなのではないかなぁ、
と思うのです。
彼に関して「作戦を成功させるために自軍の犠牲をまるでかえりみない」
(小説第6巻序章)という記述があるのですが、
そういう意味では「真の軍師」と言えるのかも。
そして、まさに理想どおりの場を与えてくれたシヴァ様に対しては、
「感謝」の念が強いのではないかなぁ。
シヴァ様(=黒のソーマの甘美な魅力)の虜になった他の多くの人が持ったという
「狂おしいほどの思慕」ではなくて。
そしてまた、そういうところがシヴァ様にも気に入られて
第一の側近となっているんじゃないかなぁ、と……。
いやー、どうなんでしょうねぇ。
ビカラの過去、断片的にでもいいから明らかにしてほしいです。
あっ。そういえば、「冥帝」の「冥」らしさって、
どのへんに表れているんでしょうね?
「冥」でまず思いつく言葉って、私の場合は「冥府」ですが、
天空界にその概念はなさそうな気もしますし。
(天霊界のことはとりあえず置いておこう)
アニメ版では技などにも反映されていなかったと思います。
小説版では何か出るのかしら。それもちょっと楽しみです。

註1

「心とは元来弱いものです。そして、人々はその心の弱さを必死に覆い隠そうとするのです。力あるものはその力によって。智恵あるものはその智恵によって。けれども、それではその本質的な心の弱さはなんら変わるところはありません。故に、人々はより一層の不安を抱き、さらに強く心を守るものを求めます。力あるものはさらなる力を。智恵あるものはさらなる智恵を。そして、そこに黒の光流(ソーマ)の……シヴァのつけいる隙が生まれるのです」

引用:小説版第4巻序章より抜粋
獣牙三人衆が反逆した際に業霊師ダルマが述べたもの。
とても深い言葉だと思います。
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